介護施設ユニットマップアプリを現場で作成

私が介護職時代には、

「利用者さんがどこの部屋にいるか、しっかりメモして覚えるように」

利用者さんの名前をメモに書いて覚える必要がありますよね

覚えるのは大切かもしれませんが、「ユニットマップがあれば・・・」と常に感じていました。

現場が必要とするシステムがない

介護保険請求システム次第で、フロアマップやユニットマップを抽出できる場合もあります。

私が使用していたシステムにはそんな便利な機能はありませんでした。

そして、いかに便利な機能がついていたとしても

「事務所にしか介護ソフトが入っていない」

パソコン1台にインストールすると10万円って会社も普通にあります。

国保連に請求時に必要ですから介護ソフトを入れないわけにはいかない。

国保連請求?
利用者が介護保険サービスを受けると、サービスを提供した事業者は原則9割を国民健康保険団体連合会(以下、「国保連」という)へ、残りの1割を利用者へ費用を請求することになります。

特に国保連への請求は毎月1日~10日という限られた期間内に介護給付費請求書と介護給付費明細書を提出する必要があります。

しかし、最低限の台数 事務所と相談員が使うパソコンだけインストールしておき、現場のパソコンにはインストールしていない。

1フロアや1ユニットにパソコン1台だけ そんな施設多いのではないでしょうか?

利用者の情報は手書き帳票であったり、高いお金をかけてパソコンに介護ソフトをインストールしても利用者情報を確認する以外使用できないのではお金がもったいない。

kintoneで医療介護現場の課題は解決できるのか

kintone単体で国保連(国民健康保険団体連合会)への伝送業務(請求)は今の所出来ません。ただ、kintoneはCSVで情報を抽出できるので、

日々の記録をkintone→CSVで抽出→介護ソフトに読み込ませて伝送

って流れであれば可能でしょう。

フロアマップやユニットマップは、高望みをしなければkintoneのライトコースでも再現可能かと考えます。
実際にデモアプリを使って説明していきます。

kintone 入所者情報アプリ

どのユニットや居室に誰が入所しているのか、退所予定はあるのか等の情報を入力されたレコードを作成するために以下の画像の様なフィールドを配置しました。

kintone入所管理アプリフィールド

特に難しい設定はなく

  • 状況(入所しているのか退所しているか把握できるように)
  • ユニット名(今回はユニットにしましたが、従来型多床室がメインの特養とかは、101号室とかの部屋番号で分けてもいいかもしれません)

あとは、氏名や入所日、退所日を配置。

後程別のアプリで関連レコードというフィールドを配置するために紐づけ用のID(文字列1行)を配置。IDには常に同じ文字が入力されるように初期値をkinbozuと設定しています。

kintone ユニットマップアプリ

入所者情報アプリのレコードを用いてユニットマップを作ってみます。

  • どのユニットのどの居室に誰が入所しているのか
  • 新しい入所予定と退所予定
  • 申込待機者の一覧

をユニットごとに表示してみようと思います。

「一覧でも表示できる!!」

勿論そうなのですが、

「このユニットにはこの人いるから人を選ぶね」

とか、4人部屋なら尚更入所する方を検討する際にマップは必要となります。

視覚的な情報で考えられることも多いですからね。

スペースと関連レコードを上手に使えば実際のユニットと同じような形に作ることもできると思います。

kintoneユニットマップアプリレコード

配置しているフィールドはほぼ「関連レコード一覧」です。

一番下にあるIDに関しては、関連レコード一覧のフィールドを設定する際、表示するレコードの条件 を設定しなければなりません。

その為、入所者情報アプリでは新規レコード追加時に予めkinbozuと入力されたIDを作成しているのでそこと紐づけします。

あとはさらに絞り込む条件で、ユニット名や状況を入所中と退所予定を選択することで実際に入所されている利用者のみを表示します。

入退所予定には、さらに絞り込む条件で、ユニット名と状況を入所予定と退所予定を選択すればユニットごとの入退予定が確認できます。

「この人どんな人だったかな?」

って時もレコードの詳細を表示するをクリックすれば入所者情報アプリのレコードに飛びますので、詳細な情報がレコードに入力されていれば、カルテの様なツールとしても利用できます。

関連レコードフィールドは便利

基本は入所者情報アプリで管理をするが、関連レコード一覧を使って必要な情報だけを表示する。

一覧表示でも可能ですが、複雑な条件設定をいくつも作成すると一覧の数が増える一方です。

その点、関連レコード一覧は1つのレコードに複数の条件で絞り込んだ内容を表示できます。

今回は1つアプリしか連携していませんが、複数のアプリ情報を1つのレコードに集めることが出来るので便利です。

いちいち別のアプリを開いて、レコードを開いてといった工程が面倒くさい場合は、ブックマーク機能を使うことでレコード閲覧までの工程を短縮できますしね。

Excelでも実現出来る?

ユニットマップを作るだけならばExcelでもテキストでも作成できると思います。

kintoneの良いところは関連レコードをクリックすれば利用者情報が閲覧できるように設定出来るところです。

例えば、居室が1つ空いている。問い合わせが1名いるとしましょう。

問い合わせに表示されている方のレコード詳細を表示するというボタンをクリックすれば問い合わせがある利用者の情報がすぐ確認できます。

EXCELではリンクは貼れたとしても、どこのリンクを貼りますか?利用者情報が入力された介護ソフトのリンクなど貼れませんからね・・・

それに、EXCELだとマップは手動更新。

kintoneだと大本の利用者情報を変更すれば自動的にマップアプリの情報は修正されますので、今回の仕事はEXCELよりもkintoneの方が向いていると考えます。

アプリデータ

アプリテンプレート

入所者マップ アプリパック

アプリ利用イメージ(youtube)

【kintoneで介護施設のユニットマップ】マップを自分達で作成できるのがキントーン